社長の働き方。ときどき禅とか。

ディズニー映画『マイ・エレメント』で気づいた — 自分の「才能」の活かし方

ディズニー映画『マイ・エレメント』で気づいた — 自分の「才能」の活かし方

先日、息子たちと一緒に、ディズニー映画『マイ・エレメント』を見ました。

『マイ・エレメント』には、火・水・木・風という4つの“エレメント”が暮らす世界が描かれています。

火は水に触れると消えてしまい、水は火に近づけば蒸発してしまう。
そのため、違うエレメント同士が関わることは禁じられている、という独自のルールがあります。

そんな世界の中で、火の女の子:エンバーと、水の男の子:ウェイドは惹かれ合っていきます。

それだけでも十分に心が動かされる物語ですが、私が特に印象に残った場面がありました。

この記事の要約:「才能の活かし方」を理解する5つのポイント

才能は“自分では気づきにくい” 自分にとっては当たり前でも、他者から見ると価値になる。
自然にできてしまう領域こそ才能の本質。
違うエレメント(価値観)が才能を映し出す 自分とは異なる立場・背景の人が関わることで、自分のエレメント(本質・才能)が見えてくる。
才能の見つけ方は「努力していないのに喜ばれること」 努力していないのに褒められた行動・自然にできる行動を丁寧に棚卸しすると、才能の核が見えてくる。
禅語「人人悉道器」=人は皆、それぞれの道の器を持つ 他人の才能を羨む必要はなく、自分の素材(エレメント)を活かすことが最も自然で力が出る。
才能を使う働き方は“自利利他”が自然に循環する 才能を活かすと自分も満たされ、結果として誰かの役に立つ。続く働き方は、自然体の利他にある。

これらについて、以下で分かりやすくお話します。

「才能」は、自分にとっては当たり前

エンバーがウェイドの家を訪ねたときのことです。

家に飾ってあったガラスの花瓶が割れてしまうのですが、エンバーは「直せますよ」と言って、自分の熱でガラスを溶かして元通りにしてしまいます。
しかも、元の形より美しく。

エンバーにとっては、“いつものこと”。
火のエレメントとして生きてきた彼女にとって、ガラスを溶かして形を作るのは、特別なことではないのです。

ところが、水のエレメントから見ると、それは“驚くべき才能”でした。
家族は目を丸くして褒め、彼女を「世界一のガラスメーカーへ紹介したい」と言い、まるで“すごい人”を見つけたように扱う。

このシーンを見て、私はハッとしました。

「自分では当たり前だと思っていることほど、他者にとっては才能に見えることがあるんだ」

その感覚は、仕事でも、人生でも、何度も経験してきたものです。

才能は“自分では気づきにくい”

才能というと、「努力して身につけるもの」というイメージを持つ人が多いですよね。
しかし、実際はその逆で、努力していないのに自然とできてしまうことこそが、才能の本質です。

ただ、ここに1つ困った特徴があります。
才能は、自分にとっては普通で、当たり前なのです。

「こんなの誰でもできる」と感じてしまう。
でも周りは、「それができる人は少ない」と気づいている。

映画のエンバーはまさにその典型で、
“できてしまう人”ほど、自分の価値を低く見積もってしまうのだと思います。

他者(別のエレメント)が気づかせてくれる

人は、自分の得意に鈍感です。
だからこそ、異なる背景・価値観を持つ人たちが、あなたの才能を見つけてくれるのです。

火のエンバーにとっての日常が、水のウェイドには特別に見えるように。

人は、違うエレメント同士が関わったときに、初めて自分の“色”を知る。
その気づきは、才能を生かすうえで大きなヒントになります。

才能の見つけ方「努力していないのに喜ばれることは何?」

才能を見つけるときに、こんな問いかけが役に立ちます。

「自分では努力した覚えがないのに、人から褒められた・喜ばれたことは何だろう?」
  • あなたが説明すると「分かりやすい」と言われる
  • あなたに相談すると、心が軽くなる
  • 初めて会う人とでも、穏やかに話せる
  • 複雑な情報を整理するのが得意
  • 細かい作業が苦にならない

こういった“自然とできてしまう行動”は、あなた自身のエレメントそのものです。

努力して獲得したスキルではなく、最初から備わっている性質(ギフト)。
それが、あなたの仕事を支える原動力になります。

どれが優れているということではなく、ただ“種類が違う”だけ。
大切なのは、自分の才能(エレメント)を否定しないことです。

自分では普通でも、誰かにとっては特別。
その違いが、価値になります。

禅の教え『人人悉道器』と才能の関係

禅には「人人悉道器(にんにんことごとくどうきなり)」という言葉があります。

人人悉道器(にんにんことごとくどうきなり)とは?

「すべての人々は、道を修めるための可能性と器を持っている」という意味の禅語
  • 火は火の道を。
  • 水は水の道を。

同じように、人には人それぞれの器があって、そこでこそ力が発揮される。

だから、他人のエレメントを羨んでも意味がないのです。

火は水にはなれないし、なる必要もない。
火は、火としての良さがあるんですね。

自利利他 — 自分の才能を使うことが、他者のためになる理由

仏教には「自利利他(じりりた)」という考え方があります。

自利利他(じりりた)とは?

自利とは、自分が満たされること。
利他とは、他者を満たすこと。

「自利も利他も、どちらも大切ですよ」という仏教の教え。

この二つは、どちらが先というものではなく、同時に成り立ちます。
特に、あなたの才能を使って働くとき、この“自利利他”が自然と循環しやすいのです。

才能は、無理をしなくても発揮できます。
自分のペースで、自然体で、呼吸をするようにできること。

才能を発揮している時、あなたは愛やエネルギーで満たされます。

人間は、コップのようなもの。

その状態は、あなたの心のコップが満たされているようなものです。

コップに水(愛・エネルギー)がいっぱいに注がれていると、周りに分けてあげることができますよね。
これが、自然な貢献です。

一方、コップに水が少ないのに、周りに分けてあげようとすると、どうなるでしょうか?
「分けてあげている」のような、やってあげてる感がにじみ出てしまうものです。

だからこそ、まずは自分のコップを満たすことが大事。
そのためには、あなたの才能を発揮できる仕事、つまり「好きな仕事・得意な仕事」をしたほうがいいのです。

自分のエネルギーが安定し、結果として他者の力にもなる。

その循環こそが、自利利他の本質だと感じます。

努力する“利他”は疲れる。自然体の“利他”は続く。

たとえば私は、「話す」「伝える」「整理して言葉にする」ことが自然とできてしまいます。
これを自分では長らく“特別な強み”だとは思っていませんでした。

でも、セミナーや情報発信を続けるうちに、
「分かりやすかったです」「やっと理解できました」
という言葉をいただくようになりました。

努力して身につけたというよりも、昔から自然にやっていたことです。
だからこそ、無理なく続けられるし、誰かの役にも立つ。

才能を使った利他は、疲れない。
それは“火が火のままでいる”ようなものです。

あなたにも、きっと同じような部分があるはずです。
無理をして得たスキルではなく、自然に湧き出てしまう性質。
そこにこそ、続けられる働き方のヒントがあります。

「ありのまま」を活かす働き方

私たちは時々、“自分ではないエレメント(自分ではない何者か)になろう”としてしまいます。

もちろん、別のエレメントへの理解は大切です。
ただ、無理に合わせようとすると、どこかで息苦しくなってしまいます。

映画でエンバーが美しい花瓶を作れたのは、
自分の才能を自然と発揮したからです。

人も同じで、“自分そのもの”を変える必要はありません。

  • 火の素材のまま、火にしかできない価値をつくればいい。
  • 水の素材のまま、水にしか生み出せない働き方をすればいい。

誰かになろうとするのではなく、
“自分として働く”。

よく「ありのままを大切にしましょう」と言われますが、これは「火として生まれたなら、火としての才能に気づき、それを磨きましょう」ということです。
(ありのまま=現状維持、ではなく“自分という素材を活かして伸びる”という意味なのです)

ここに、あなたの才能が一番きれいに輝く働き方があります。

結び:あなたの才能(エレメント)は、何ですか?

映画『マイ・エレメント』は、異なるエレメント同士が出会う物語でした。
その関わりの中で、エンバーは初めて“自分の価値”に気づいていきます。

私たちも同じです。

自分一人の世界では、才能は“あまりに当たり前すぎて”気づけません。
でも、誰かと関わり、違いに触れたときに、その価値が浮かび上がることがあります。

そして禅は、こう教えてくれます。

人人悉道器 ― 人は誰もが、その人にしか歩けない道の器を持っている。

どれが良くて、どれが悪いということはありません。
ただ、それぞれが違うだけです。

そして、その違いが価値になります。

あなたが自然体でできてしまうことは、何でしょうか?

それこそが、誰かに必要とされている才能かもしれません。

著者 (Author)

株式会社ミリオンバリュー(MillionValue, Inc.)代表取締役社長(CEO)大林こうすけ(Kosuke Obayashi)
禅や東洋思想のエッセンスを通じて、忙しさの中でも心穏やかに働ける(そして、結果もついてくる)ヒントをお届けしています。

I share practical insights from Zen and Eastern philosophy to help you work calmly and sustainably — even in busy days — while achieving results in your own rhythm.

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