
「小さな会社でやっている自分って、かっこ悪いのかな…」
「もっと人を増やして、売上を上げて、大きなオフィスを借りなきゃ…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
ビジネスの世界では、「会社は大きくしてこそ一人前」という空気がありますよね。
たしかに、それは立派な夢であり、誰かにとっての正解かもしれません。
けれど、それがあなたにとっての幸せとは限らない。
このページでは、私自身の経験を通して、「小さく働くことの誇り」についてお話しします。
拡大を目指して、苦しくなった時期
かつての私は、「会社は大きくするもの」だと信じていました。
社員を増やし、売上を上げ、次のステージへ——。
最初のうちは、成長している実感があり、前に進んでいる気がしました。
けれど、いつからかその“成長”が“ノルマ”に変わっていきました。
社員を雇えば守るべき生活が増え、責任がのしかかる。
気づけば、提案をしている時も
「これは本当にお客様のためなのか?それとも自分たちの売上のためなのか?」
と、心の中で揺れるようになっていました。
今思い返せば、そのころの私は、「お客様の幸せ」ではなく「会社を維持するための売上」を追いかけていたように感じます。
そして、自分の中で何かが少しずつ削れていく感覚がありました。
「獣に餌を与えるような経営」から抜け出す
そんな私を変えてくれたのが、『ステイ・スモール』という一冊でした。
その中で著者は、こう語っています。
会社を大きくしすぎると、それは“獣”になる。
経営者は、その獣に餌を与えるために働き続けることになる。
売上を増やしても、維持するためのコストも増える。
気づけば、会社を支えるために自分が疲弊していく。
私もまさに、その状態でした。
「自分が好きな仕事」ではなく、「獣(会社)に餌(お金)を食べさせるための仕事」をしていた。
そう気づいたとき、私はいったん立ち止まりました。
そして、こう思ったのです。
“獣を育てる仕事”ではなく、“自分が心から価値を感じられる仕事”にしよう。
小さな会社は「発展途上」ではない
当時の私は、「小さな会社=未完成」だと思っていました。
けれど、ダーウィンの進化論を読み直したときに、その考えが大きな勘違いだったと気づいたのです。
一般的に、「進化」は、一直線なイメージが持たれがちです。

しかし、本来の進化は、枝分かれしながら、それぞれが自分の環境に適応していくことなのです。

例えば猿は「人間になるため」に存在しているわけではありません。
猿は猿としての進化の最前線にいます。
人間も人間として、また別の進化の最前線にいる。
どちらが上でも下でもないのです。
会社も同じです。
大企業は大企業の進化、小さな会社は小さな会社の進化をしている。
どちらも“それぞれの最前線”にいる。

だから、小さな会社は「大きくなる前の途中形」ではない。
すでに「その会社にとっての、進化の最前線」なのです。
「もっと!」を手放す勇気
拡大を目指していた頃の私は、
「もっと!」「まだ足りない!」と、常に上を追いかけていました。
でも、その先には終わりがありません。
達成しても、また次の目標が生まれる。
その繰り返しの中で、心はいつまでたっても満たされませんでした。
そんな時、思い出したのが仏教の言葉。
たとえ貨幣の雨を降らすとも、欲望の満たされることはない。
この言葉にハッとしました。
どれだけ手に入れても、“もっと”という心が止まらなければ、幸せにはなれない。
そこで私は、東洋哲学の「足るを知る」という言葉に出会いました。
「足るを知る」とは、我慢ではない
「足るを知る」と聞くと、
“今の状況で我慢しなさい”のような意味だと誤解されがちです。
でも、本来の意味は違うと、私は思っています。
つまり、「自分は、何をしているときに心が満たされるのか?」を知ること。
不要な欲が静まることで、エネルギーの無駄がなくなり、
大切なものに集中できるようになり、
その結果、望む状態に近づいていく。
私にとってそれは、YouTubeやブログ、Podcastなど、
自分の考えやノウハウを発信している時間でした。
この時間こそ、最も自分らしく生きている瞬間なのです。
そして不思議なことに、“好きなことに集中する”ようになってから、
結果的に売上も安定し、クライアントにも恵まれるようになりました。
数字を追うのではなく、「好きで得意なことに集中する」
それが、私にとっての“足るを知る経営”でした。
小さい会社は、美しい
小さな会社には、小さな会社にしかない魅力があります。
お客様との距離が近く、顔が見える。
自分のペースで、丁寧に仕事ができる。
それは、大企業では決して真似できない強みです。
「規模」は「幸せ」とは、まったく関係ありません。
あなたにとって、幸せに働ける規模が、ちょうどいい。
このサイト『社長の働き方。ときどき禅とか。』では、
そんな“小さくて、でも満ちている働き方”を大切にしています。
大きくならなくてもいい。
早く進まなくてもいい。
あなたが自分らしく働けるなら、
それが、いちばん“かっこいい”姿だと思います。






